乳児健診のポイント
月齢1ヶ月、3ヶ月、9ヶ月の乳児健診等でしばしば話題となるポイントを解説しています。 少しづつ更新していきます。
1ヶ月検診
初めての健診です。 お産の病院でも行われます。 赤ちゃんを育てるご家族の疑問や不安をできるだけ解消できる時となれば幸いです。
体重増加 |
1日当たり30g以上、出生後1000g近くの増加があれば順調に栄養がとれています。 |
授乳と排気 |
授乳後にゲップで十分な排気ができないと赤ちゃんはお腹が張って苦しくなります。 お腹に空気がたまるといきむことが多くなり、逆流性の吐乳が増え、おならが多くなり、便秘をすることもあります。 また一度に十分飲めなくなって、授乳間隔が短く回数が多い、母子共にたいへんな授乳サイクルになってしまいます。
お腹と背中をはさんでやさしく圧迫をしながらしっかりとゲップをさせてあげてください。 おならが多いのはゲップが足りないサインです。 |
安全と事故予防 |
自動車での移動で赤ちゃんに一番安全なのはチャイルドシートです。 抱っこではいざという時の衝撃に耐えられません。 2歳までは後部座席に後ろ向きの乳児用チャイルドシートが一番安全とされます。 海外では新生児が家に帰る時に適切なチャイルドシートがないと退院させてもらえないところもあります。 |
3−4ヶ月検診
育児もだいぶ慣れた頃ですね。 昼夜のサイクルができてくると夜寝てくれる時間がだんだん長くなっていきます。 動きもどんどん活発になります。
身体発育 |
体重は3−4ヶ月で出生時の2倍ほどになります。 身長、頭位の増加も母子手帳の成長曲線グラフで確認します。 6ヶ月くらいまでは赤ちゃんが一番ポッチャリする時期で、太っていてこの時期の標準体型です。 |
運動発達 |
首が次第にすわってくると、好きな向きに頭を支えられるようになります。 力も強くなり、早い子では寝返りもはじまります。 目を合わせてニコニコしたり、声を出して笑ったりできるようになります。 うつ伏せの姿勢では腕で体を支えて頭を持ち上げることができるようになります。 |
安全と事故予防 |
寝返りが始まる時期にベビーベットは常に柵が必要です。 寝返りをしなくてもずれて動くだけでベッドから落ちる場合があります。 手が器用になるので、ものを持って口に運ぶことが始まります。 周りに置いてあるもの、特に口に入ってしまう小さなサイズのものには注意が必要です。 |
5−7ヶ月検診
0歳児の予防注射もだいぶ進んできた頃ですね。 出生時までにお母さんからいただいた免疫グロブリンで多くの病気から守らるのはこの頃までです。
身体発育と栄養 |
体重増加はややゆっくりとなりますが、7ヶ月で出生時の2.5倍ほどになります。 乳歯が生え始めるのもこの頃です。 6ヶ月前後でいよいよ離乳食の導入時期になります。 お粥から徐々に穀類、野菜類を一度に1種類ずつゆっくり導入していきます。 まだ胃腸は未熟な時期ですから、食べた後でぐずったり、嘔吐、下痢、発疹などがみられる食物はまだ早いことが多いです。
特に卵や小麦、乳製品などタンパクの食品は離乳食の中後期に導入できれば十分で急ぐ必要はありません。 |
運動発達 |
寝返りが上手になります。 仰向けからうつ伏せ、うつ伏せから仰向けもできるようになると床面で動ける範囲が広くなります。 周りにある興味あるものをつかむと、多くのものは口に入れてしまいます。 お座りに向けて腰の力も強くなってくるので抱っこもしやすくなります。 |
精神発達 |
言葉かけに声や表情で反応するようになります。 色々な声や発声をするようになります。 いないいないばーの遊びから隠れている者や人の永続性も学びます。 声のトーンを聞き分け、自分に向けられる感情を判断するようになります。 人見知りのはじまるのもこの頃です。 |
安全と事故予防 |
手の届く範囲のものは何でも口に運びますので、届く範囲に口に入って危ないもの、小さなものを置いておかないで下さい。 兄弟姉妹がいる場合は特に小さなおもちゃなどに注意が必要です。 |
9−10ヶ月検診
初めは寝返りやハイハイなどの床面での動きから、つかまり立ちが始まると高いところに手が届くようになります。 いちばん目の離せない時期です。
栄養 |
離乳食もだんだん進んで1日3回食べるようになると、母乳やミルクの回数や量は減っていきます。 動きが活発になるこの時期の体重の増えはややゆっくりです。 背は伸びて少ししまった体型になっていきます。 排便は子どものうんちに近づいていきます。 野菜等からの食物繊維の摂取が少ないと便秘になることもあります。 |
運動発達 |
寝返りはもちろん、お座りもできるようになります。 ハイハイができるようになり、つかまり立ちをする子も増えてきます。 つたい歩きをする子では、手の届く範囲がどんどん広がっていきます。 |
精神発達 |
発語のバリエーションが多彩になります。 声やジェスチャーでコミュニケーションを図るようになります。 おもちゃやいろいろなものに興味を持って手に取ります。 声や動作の真似をすることもはじまります。 自分で動いていって自分の届く世界をどんどん広げていきます。 |
安全と事故予防 |
この時期も手に持つものはなんでも口に入れることが多いです。 手が器用になりつまむ動作ができると小さなものも口に運べます。 ペンや鉛筆など長いものをくわえて転んでしまうと口の中や喉を突いて危険です。 テーブルの上の熱いものなど赤ちゃんの手の届く範囲にあるものには十分な注意が必要です。 |